ピラティスの効果とその効果を実感する期間・頻度は?マシンピラティスとマットピラティスはどう違う?

    この記事では、ピラティスで期待できる様々な効果、そして効果を実感するために必要な期間や適切な頻度まで、詳しく解説していきます。ピラティスは、その独特なアプローチと幅広い効果で近年注目を集めているエクササイズです。「ピラティスで体形が変わるのか?」「マシンピラティスは、効果があるのか?」「一か月で効果がでるのか?」などに疑問が解消できるように解説していきます。

    目次

    ピラティスとは?その起源と目的

    ピラティスは、1883年にドイツで生まれたフィジカルトレーナー、ジョセフ・ハベルタス・ピラティス氏によって考案されたエクササイズメソッドです。彼は幼少期に病弱だった経験から、体を強化し健康を維持する方法に深く興味を持ちました。第一次世界大戦中、負傷した兵士のリハビリのためにこのメソッドを考案し、発展させていきました。当初は「コントロロジー(Contrology)」と名付けられ、「心と体をコントロールする」という理念が反映されていました。その後、ピラティス氏がアメリカに渡り、新しいエクササイズとして普及したことで、現在の「ピラティス」という名称で知られるようになりました。

    体幹と胸式呼吸が鍵

    ピラティスのエクササイズは、体幹(コア)と呼ばれる体の中心部にある深層筋(インナーマッスル)を強化することに重点を置いています。特に、横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群という4つのコア筋群を意識して体を動かすことが重要です。これらの筋肉を鍛えることで、姿勢の維持や動作の安定性が高まります。

    また、ピラティスでは胸を膨らませて行う「胸式呼吸」を意識しながら動くのが特徴です。肋骨を広げるように深く息を吸い込み、肺の空気を絞り出すように口から長く吐き出すことで、心肺機能の強化、細胞の活性化、内臓機能の改善、そして自律神経の安定が期待できます。呼吸と動作を連動させることで集中力が高まり、動きの質が向上します。

    マットピラティスとマシンピラティス

    ピラティスには大きく分けて「マットピラティス」と「マシンピラティス」の2種類があります。

    マットピラティスは、マットの上で自分の体重(自重)を負荷として行います。特別な器具が不要なため、自宅でも手軽に取り組めるのが特徴です。全身の筋肉をバランスよく鍛えることに適していますが、ある程度の筋力がないと正しいフォームを維持するのが難しい場合があります。

    一方、マシンピラティスは、リフォーマー、キャデラック、チェア、バレルなどの専用マシンを使用します。これらのマシンにはバネ(スプリング)や滑車が備わっており、負荷を細かく調整したり、体の動きをサポートしたりできるのが大きな利点です。マシンが正しい姿勢や動きをガイドしてくれるため、初心者でも正確なフォームで効果的にエクササイズを行うことができ、特定の部位に集中的にアプローチすることも可能です。マシンピラティスはエクササイズのバリエーションが豊富で、その数は600種類以上とも言われています。

    ピラティスに期待できる具体的な効果

    ピラティスを継続的に実践することで、身体的、精神的の両面で様々な効果が期待できます。

    身体への効果:姿勢改善から体型変化まで

    ピラティスは、体の深層部にあるインナーマッスルを集中的に鍛えることで、多岐にわたる身体的な効果をもたらします。

    まず、姿勢の改善に非常に効果的です。体幹が安定し、背骨や骨盤周りの筋肉が整うことで、猫背、反り腰、巻き肩、ストレートネックといった不良姿勢が改善され、自然で美しい姿勢を維持しやすくなります。これにより、肩こりや腰痛といった慢性的な体の不調の軽減にもつながります。 インナーマッスルが強化されると、内臓を正しい位置に支える力が向上し、胃下垂の改善や内臓機能の活性化が期待できます。その結果、消化不良や便秘の解消にもつながる可能性があります。 また、全身の筋肉をバランスよく使うことで、柔軟性が向上し、関節の可動域が広がります。これは日常生活での動きをスムーズにするだけでなく、スポーツ時のパフォーマンス向上や怪我の予防にも役立ちます。 ピラティスは「ダイエット効果」も期待できます。インナーマッスルが鍛えられ、姿勢が改善することで基礎代謝が向上し、エネルギー消費量が増えるため、痩せやすく太りにくい体質へと変わっていきます。短期間で急激な体重減少というよりは、ボディラインが引き締まり、しなやかでメリハリのある美しい体型を目指せるのが特徴です。足や腕のむくみ解消にもつながります。

    心への効果:ストレス軽減と集中力向上

    ピラティスは「動く瞑想」とも言われるほど、精神的な安定やストレス解消にも大きな効果が期待できます。

    胸式呼吸を意識した深い呼吸は、自律神経のバランスを整える作用があります。これにより、心がリラックスし、心身の活性化が促され、集中力が高まります。エクササイズに集中することで、日常の不安やストレスから離れ、マインドフルネス(今この瞬間に集中する状態)の状態へと導かれます。 また、セロトニンの分泌が促されることで、幸福感やリラックス状態を得やすくなるとも言われています。これにより、睡眠の質の向上や、精神的な安定感ポジティブな気持ちで過ごせるようになる効果も期待できるでしょう。

    効果を実感するための期間と頻度

    ピラティスの効果を実感するまでの期間や適切な頻度は、個人の体の状態や目標によって異なりますが、目安となる考え方があります。

    ジョセフ・ピラティスの言葉に学ぶ期間の目安

    ピラティスの考案者であるジョセフ・H・ピラティス氏は、その効果について「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる」という有名な言葉を残しています。

    具体的には、以下の変化が期待できるでしょう。

    • 1〜2ヶ月(約10回): 普段使っていなかった筋肉が活動し始め、体が軽く感じるようになります。疲労感の軽減や、少し姿勢が改善されたと感じる方もいるでしょう。
    • 2〜3ヶ月(約20回): インナーマッスルの強化が進み、姿勢が目に見えて良くなり、ボディラインがスッキリしてきます。ウエスト周りが引き締まったり、猫背が改善されたりするのを実感する頃です。肩こりや腰痛などの不調も和らいでくるでしょう。
    • 3〜4ヶ月(約30回): 体の不調をほとんど感じなくなり、全身のバランスが整った「新しい体」を手に入れたと感じるでしょう。基礎代謝が向上し、肌の調子が良くなるなど、健康面での変化も顕著になります。心理的にも自信がつき、日常生活がより快適になります。

    効果を最大化するための適切な頻度と継続の重要性

    ピラティスの効果を最大限に引き出すためには、継続することが最も重要です。一般的に推奨される頻度は週に1〜2回ですが、月4回でも十分な効果が期待できます。特に運動初心者の方は、無理なく続けられるペースで始めることが大切です。疲れが残る場合は2〜3日間の休息日を設け、筋肉の回復を促しましょう。

    より早く効果を実感したい場合や、ダイエット目的の場合は、週2〜3回の頻度で取り組むことが推奨されます。ただし、頻度を増やすことよりも、一つ一つのエクササイズを正しいフォームと呼吸法で行う「質」を意識することが重要です。自宅でのレッスン復習や、日常での姿勢・呼吸の意識も、効果を高める上で役立ちます。

    もし効果を感じにくい場合は、自己流になっていないかフォームを見直したり、プロのインストラクターによる指導を受けることで、より効果的なアプローチが可能になります。

    ピラティスが運動初心者にもおすすめな理由

    リハビリテーションが起源の優しい運動

    ピラティスは、元々負傷兵のリハビリを目的として考案された経緯があるため、年齢や体力レベル、性別に関係なく、どなたでも無理なく始められるエクササイズです。激しい動きが少なく、膝や腰などの関節への負担を抑えながら筋力や柔軟性を高められるように設計されています。怪我や病気で療養中の方、妊娠中や産後の方、高齢者の方など、体の状態に制限がある方でも、それぞれのニーズに合わせて安全に取り組むことができます。

    マシンが正しいフォームをサポート

    特にマシンピラティスは、運動初心者の方に特におすすめです。マシンにはバネやストラップが付いており、それが体の動きを補助したり、適切な抵抗を与えたりすることで、正しいポジションやフォームを身につけやすくなります。自己流で行うマットピラティスでは、間違ったフォームで意図しない筋肉を鍛えてしまったり、効果が得られにくかったりすることがありますが、マシンのサポートがあれば、初めから正しい体の使い方を効率的に学ぶことができます。これにより、怪我のリスクを抑えつつ、ピラティスの効果を最大限に引き出すことが可能です。

    まとめ

    ピラティスは、ジョセフ・H・ピラティス氏がリハビリテーション目的で考案したエクササイズであり、運動初心者から年齢、体力に関わらず誰でも始められるのが大きな特徴です。体幹のインナーマッスルを強化し、胸式呼吸と連動させることで、姿勢改善、柔軟性向上、ダイエット効果、そして心身のリフレッシュといった多岐にわたる「ピラティスの効果」が期待できます。

    「10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる」という言葉が示すように、効果を実感するにはある程度の継続が必要です。週1回(月4回)のペースでも、正しいフォームと質の高い動きを意識し、無理なく長く続けることが理想の体を手に入れるための鍵となります。

    ぜひピラティスを通して、健康的でしなやかな体と、穏やかで前向きな心を手に入れてみてはいかがでしょうか。

    この記事を書いた人

    小さいころからスポーツが大好きで、大学ではスポーツ系の学部を専攻し、そこでピラティスを中心としたフィットネスに目覚める。
    普段は銀行員として働いているが、将来は自分でフィットネススタジオを始めたいと思い、今はフィットネスを勉強中!
    昨年、自身の経験したピラティスに関する知見を少しでも多くの方に伝えたいと思いこの「ピラティスLIFEブログ」を開設!
    今までフィットネスを勉強してきたので、フィットネスのプロ目線でピラティスの魅力をお伝えします☆

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